美容室に来店される大半のお客様は「仕事が休み」「時間に余裕がある」などの理由から土日祝日にご来店されることが多いと思います。
土日祝日が忙しい一方で、平日には空席が目立ちお客様の来店数に差があります。
美容室を経営する以上、土日祝日だけの営業だけではやっていけません。
経営を安定させるためには、平日の来店数の増加、売上、利益アップのために集客は必要不可欠になります。しかし現実は、平日の集客にしっかり向き合えない美容室や、差別化を活かしきれていない美容室が多いです。
そんな「平日の集客を強化したい」「集客の施策を打ちたい」方に向けた集客のコツを紹介したいと思います。
ここでは下記に悩みを解決したい方へ向けた記事になっています。
- 平日の集客に悩んでいる
- 何をしたらいいか分からない
- 取り組んでいるが成果が出ていない
平日にお客様が増えない理由
平日に特化したターゲットになっていない
美容室には、デザインが特殊だったりユニークなコンセプトを持っているお店が多いです。
ターゲットにしているお客様に向けてサービスやメニューを提供していますが、土日祝日と同じメニューやサービスを、平日も変わらず提供している美容室を見かけます。
現実は、土日祝日と平日で来店される客層が違います。
土日祝日と平日の客層が違うにも関わらず同じサービスやメニューを提供していては、サービスやメニューがお客様とマッチしないため、来店されたお客様は定着していきません。
お店のエリアによっては、平日は仕事や学校などがあり土日祝日とは明らかに生活スタイルがことなります。
そのため、客層に合わせて平日のお客様に特化したターゲット設定をしなければいけません。
サービスがターゲットに合っていない
ターゲットに合わせたサービス・メニューを提供することも大切です。
お客様は「なりたい自分のイメージに近づける事」「悩みの解決」「キレイになりたい」「格好よくなりたい」などを期待して美容室にご来店されるものです。
平日のターゲットに合わせたサービスやメニューを提供できていないのであれば、新しく作る必要があります。
お店の暇な時間帯、曜日を把握できていない
平日のお客様に合わせたターゲットやメニュー・サービスも重要ですが、もう一つ大事なことがあります。
平日の中でも、特に暇な時間帯、曜日を把握することです。
ターゲットの設定やメニュー・サービスを作るとき「平日で来店される方の傾向」「ご来店する方は何曜日の何時が多いか」などを実データをもとに見直す必要があります。
感覚的に、ターゲットやサービス・メニューを決めてしまうと適した設定ができていないため失敗してしまうからです。実データから取れた数値をターゲットやサービス・メニューの設定に活かしましょう。
平日に特化した集客方法とは
平日に特化した集客を設定するための具体的な方法を紹介したいと思います。
現状の集客方法と比較して、あなたの美容室ではどこから着手していけばいいか考えることが重要になります。
客層を徹底する
何度もお伝えしますが、平日は休日とは違う客層をターゲットにしましょう。
そのターゲットが利用したいと思うメニューやサービスを提供していくことが大事です。
そのためにターゲットを徹底して決めることが重要になります。まずは、ターゲットの設定をしていく方法を紹介します。
ターゲットの設定
まず始めることは、自分の美容室を好んで利用する人達をリサーチし、どんな人達がターゲットとなるのかを設定することです。
リサーチは非常に重要になります。美容室をオープンしてから蓄積されたデータを活用して平日に来られた方の傾向を見つけましょう。主婦や学生という大枠を決めるのではなく、ターゲットになりえる1人の人物像が作れるまで、具体的に設定することが大切です。
そのターゲットが軸になって集客がより効率的に、そして近隣の店舗と差別化のとれた集客が可能になります。1人の人物像を作るには、職業、年齢、服装、ライフスタイル、趣味趣向まで細かく決めましょう。
注意することは、理想だけで作らないことです。
美容室側で、都合の良い人物像を作り上げてしまうと実際に来店する方は違ってしまうのでターゲットを作る意味がなくなってしまいます。
お客様のニーズをリサーチする
次に決めることは、設定したターゲットが何を求めているかです。
美容室に来店する新規のお客様は「何を求めてご来店するのか」「美容室で何を解決したい」のかを徹底的にリサーチします。
このお客様のご来店理由をリサーチすることがキモになります。その後のメニューやサービスに大きく影響しますのでじっくり時間を掛けてでもリサーチしましょう。
お店の実データを見てリサーチすることも大事ですが、近隣の店舗の口コミを見るのも大事です。比較してどんな口コミ内容が多いのか、どこに違いがあるのかを比較してみましょう。
客観的に見ることで、お店に「足りないこと」「さらにこうしたら良くなる」といった新しい発見が見つかります。
他店舗にはない魅力を感じるサービスを作る
ターゲットの設定・リサーチができたら、次はサービス作成になります。
そのターゲットが魅力的だと感じるサービスやメニューを作ることが重要です。
リサーチをすることで「課題」「問題点」「差別化」が把握できたと思います。(もし、漠然としている箇所があれば、もう一度やり直しましょう)
魅力のあるメニュー、サービスを作ることは簡単なことではありません。お店でしか提供できないニーズや満足感を与えることを重点におくことを忘れずメニューやサービスをお客様が一目で分かるようなメニュー名をつけることも大切です。
作成したサービスをさっそくアピール
魅力的なサービスやメニューを作ることができたら、それをしっかりと宣伝してアピールをしましょう。
できる限り、多くのお客様に知ってもらう必要があります。
ターゲットが来店する経路を知る
設定されたターゲット層により、美容室を検索する方法は違います。
まず、設定したターゲット層は「どのように美容室を検索しているのか」お客様の検索方法を調べましょう。
知名度や効率を考えた理由で宣伝方法を選ぶよりも、ターゲット層がどのように美容室を検索しているのか考えて宣伝を行った方が、後々効率が良く相手の心に響くアピールをすることができます。
今後も設定したターゲット層がSNSやポータルサイトの口コミ、グーグルマップを利用しているなどといったことが分かれば、効果的な宣伝を媒体を限定してすることが可能になります。
効果的に宣伝
サービスやメニューを宣伝する際は、サービスやメニューを使うことで得られる「メリット」「悩みの解決」「どんな体験」ができるのかを具体的にアピールすると効果的です。
お客様は、具体的に想像できるほど魅力的に感じます。夢を見ることができるのです。そういった、来店後、施術後をイメージし記憶にも残る傾向があります。
サービスを受ける前と受けた後の画像を見せるといったことや似たような事例の体験談を掲載するのも効果的です。
ターゲットには「こうなりたい」「こうなれる」と思ってもらえるような希望や問題を解決した後の姿を想像させるように宣伝をしましょう。
リピート率の重要性
平日の集客をしていくためにターゲット、メニュー作りをお伝えしましたが、重要な確認が他にもありリピート率の計測を取れているかが大切です。
実は、リピート率を詳しく見て営業している美容室ほど経営が安定しています。
そのため、リピート率について書きたいと思います。
リピート率が低い原因
1.ターゲットが定まっていない
リピート率の原因でも具体的なターゲット像を決めることが重要です。
お客様は、新規で来店をしてくれたときに強い印象を残せていないことがリピートしてもらえていないケースがあります。
新規のお客様の特定ができていないとよりメリットを感じてもらえません。
2.来店後のフォローをしていない
お客様はご来店時に「また来たい」と思っていても時間が経つと忘れてしまうものです。
例えば、テーマパークに遊びに行った帰りを想像してみてください。
帰宅途中はまた行きたいと思っていても、数日経つとその興奮は冷めています。
同じようにお客様は、「また来たい」という感情を忘れてしまうため定期的なフォローが必要です。
3.サービス以上の感動がない
平日限定のメニュー、サービスが完璧にできたとしても、お客様はさらに感動を求めてきます。これはメニューやサービスだけでは補えない問題です。
お客様が求めているのは悩みの解決です。このお店だと解決できると思い来店されます「満足のいく美容室で髪を切りたい」「もっといい美容室を探したい」というのが心理です。
例えば、ドラマをイメージすると分かりやすいと思います。ドラマの最後は必ず次回予告が流れます。同じようなことを接客時にもしなければいけません。
また、近隣のお店と同じサービスを提供しても感動とリピート集客には結びつきません。より成功するためには、新規だけに目を向けすぎず長いスパンでお客様の定着も視野に入れて設定していくことが重要になります。
リピート率を確認する項目
リピート率の大切さも知って頂いたと思いますが、改善するべき原因はリピート率を計算しないと見えてきません。
そのため、リピート率の出し方を紹介したいと思います。
リピート率の業界平均値
はじめに、リピート率の業界平均を見ていきましょう。
下記の表が、リピート率の平均値になります。
再来日数 | 既存リピート率 | 新規リピート率 |
45日 | 30~35% | 15~20% |
60日 | 45~50% | 25~30% |
90日 | 65~70% | 30~35% |
上記のリピート率は目安になりますが、この数値を基準にこれからお伝えするリピート率の計算をあなたの美容室に落とし込んで確認していきましょう。
新規リピート率を確認
まずは、新規リピート率を確認しましょう。上記の表を見ても、新規リピート率は低い事がわかります。
特にクーポンサイトをやっている美容室は数値にバラツキがあるので注意しましょう。
注目すべきポイントは、3回目のリピート率です。
【1回目に失客】「クーポン目当てのお客様」もしくは「美容室に魅力を感じなかったお客様」が考えられます。
【2回目に失客】「施術に満足できなかった」「初回ほどの満足度が得られなかった」のどちらかになります。
1回目と2回目の失客を比べても失客する理由は違うことがわかります。そして3回目の失客こそ、重要です。
理由は、新規の固定化率 = 3回目までのリピート率だからです。
性別と年代で確認
差別化が取れているお店は、ご来店してもらいたいターゲット設定が決まっています。もしご来店するターゲットの「性別と年代」に数値のバラツキがあれば、再度ターゲット設定から見直すことが必要です。
特に注目するところは、
- ターゲット層は狙い通りか
- 性別×年代別リピート率にかたよりはあるか
- リピート率の高い顧客層はどこか
性別×年代のリピート率は売上のコアな部分を数値化することができるので定期的に計測を取ることが大切です。
技術メニュー別に確認
次に技術メニューのリピート率です。
お店の失客しているメニューを数値で見ることができます。
- カットのみ
- カラーメニュー
- パーマメニュー
このようなメニュー別ごとにリピート率を分析することで、原因を把握することができるので、時間だけが過ぎてリピート率は上がらないということにはなりません。具体的な対策をするためにメニュー別で、お客様の数値を見ることをしましょう。
「失客した時のメニュー」「来店した合計回数」を確認
失客の傾向も偏りがあるのか確認しましょう。
「失客した時のメニュー」「来店した合計回数」を確認することで、どのメニューで失客が増えているか、何回目のご来店で失客しているのかなど失客の傾向や、失客原因を明らかにすることができます。
例えば、「初回来店されたお客様」と「5回目で来店されたお客様」とでは失客した理由がことなります。失客理由が分かれば改善するための対策が取れるので、失客の傾向や失客原因を見るようにしましょう。
それぞれのスタッフ別の平均値を確認
サロン全体で失客を減らしレベルアップしていきたい場合は、スタッフ別でのリピート率を見ることをおすすめします。
スタッフAは、カラーリングのリピート率が高いとかスタッフBはメンズのリピート率が多いなど見えてきます。データから強みを見つけることができるので今後の集客に活かせます。
平日の集客を強化、底上げをするコツ
これまでお伝えした内容は、正直集客をしていく上で成功している美容室は既に取り組まれていることです。さらにプラスアルファを考えた集客戦略も必要になります。
得意分野を活かす
もし仮に、平日の集客が成功したときも成功して終わりではなく、さらにできることを模索することが大切です。リピート率でお伝えした通り、強みや得意としていることが数字で分かってきます。
「これだけは競合には負けない」「この部分に強いこだわりを持っている」などといった得意分野が見えてくるので、必要とされるターゲットを新しく作って集客にしていきましょう。
遅い時間に必要性がある客層
平日の集客ができない理由の一つは、休日に来られるお客様が仕事で忙しいことが考えられます。ですが、来れないお客様は24時間仕事をしているわけではありません。飲みに行ったり、帰宅する人などライフスタイルはさまざまです。
こういった原因となるところにビジネスチャンスはあると思います。
仕事で美容室に来れないのであれば、仕事がない時間に集客をする仕組みを作れればお客様は来店されるという考えもできます。
平日は仕事でも遅い時間なら美容室に行けるという層もありますし、夜からの出勤なので、その前にヘアケアやスタイリングをしたいニーズのお客様もいると思います。
お店にマッチするターゲット層を見つけ出すことで、近隣店舗と差別化して集客できる仕組み作りができ平日の集客を底上げすることができます。
あったら嬉しいサービス
美容サロンにあったら嬉しいサービス
- フェイシャルマッサージ付きメニュー
- メイク直し付きメニュー
- メイクのアドバイス付きメニュー
コスメにあったら嬉しいサービス
- 朝だけスタイリング仕放題のサービス
- オーダーメイドのシャンプーやコンディショナーなどを調合サービス
- 美容室で使うシャンプーを選べるサービス
頭皮ケアであったら嬉しいサービス
- ヘッドスパを受けながら仮眠サービス
- 頭皮を洗えているか診断サービス
- 低価格でできる炭酸ヘッドスパサービス
価格面であったら嬉しいサービス
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マッサージ店にあったら嬉しいサービス
- フットバスが付いているサービス
- 本格的なマッサージが受けられるサービス
- マッサージコースを選べるサービス
まとめ
今回は、「平日が暇な美容室が生まれ変わる5つのコツ」というタイトルで記事を書きました。
感じたことは「集客」「求人」など何かを始めるにあたって必要なことは決まっているということです。
記事の冒頭で話ました「ターゲット」「リサーチ」のことです。
どんな広告や求人で広告を打つにしても、必ず、ターゲット・コンセプトを一番に設定します。
記事を読んで頂いた方もターゲットの必要性をさらに感じてもらえたはずです。さらに「リサーチ」が重要であること。競合やお店の状況、数字で見えてくるものは、想像と違います。
また今まで気づくことができなかった点も新たに発見できるでしょう。
時間はかかりますが、今までできていなかった取り組みをすることで悩みを一つずつ解決できると思います。段階を踏んで焦らず平日に集客できる仕組みを作っていきましょう。